ヒロインvs悪役
それからは毎日の生活が変わった。
放課後、沙羅にスキンケアやメイクを教えてもらうのが日課になり、家でも規則正しい生活を意識したり、ファッションのことについても調べてみたり、いわゆる自分磨きをとことん行っていった。
学校で佐藤さんに会うたびに
「またメイクしてるの?
やめた方がいいんじゃないかな~。
みんな翼ちゃんの顔、変だって思ってるよ?」
とか
「なんか日に日に翼ちゃんブスになっていってるよ?
元の翼ちゃんの方がいいと思う!」
とか、色んなことを言われたけれど
それに反して
友達やクラスメイトからは
「なんか翼変わったね!」
「可愛くなった!」
「翼ってこんな綺麗だった?」
なんて言われるようになった。
…紘からは、何も言われてないけど、でも順調にいい方向へ変わってきてる感じがする。
「さあ、もう準備はバッチリね」
ニヤニヤする沙羅を見る。
その言葉の意味はもちろん、そういうことで。
「うん。………する、告白」
今の私なら、告白できる。
成功するかなんて、そんなのわからないけど。
それでも告白する勇気と…自信が今の私にはある。
「よし、その意気よ。頑張りなさい!」
「沙羅、ありがとう。本当にありがとう。私頑張るね」
私がそう言うと、沙羅は強くうなづいて私の手を握ってくれた。
紘に私の気持ち、伝えるんだ。
小さい頃からの私の気持ち。
紘に全て届けるんだ。