ヒロインvs悪役
何回も聞き慣れたその鈴のなるような綺麗な声は、もちろん
「…佐藤さん」
ライバル、佐藤さんで。
できれば、今会いたくなかった。
何を言われるのだろうと身構えていると
「…少しお話ししましょう」
静かににっこりと微笑んだ佐藤さん。
その笑顔は一見とても可愛いけれど、どこか棘を含んでいそうで、少し怖かった。
「ごめんなさい、今から急ぎの用があって…」
ここで佐藤さんと話していたら、紘との約束に遅れてしまう。
そう思って断ったのに
「大丈夫。少しだけだから。どうしても今話したいの」
そう言う佐藤さんに負けてしまい、結局うなづいてしまった。
「ありがとうっ、翼ちゃん」
「ううん、それで話っていうのは?」
「うん。………あのね私、紘君に告白しようと思ってるの」
可愛く頬を染める佐藤を見て、血の気が引いていくのがわかった。
ーーーーー………マズイ。
私、まだ佐藤さんに紘が好きということ言ってなかった…。
完全に忘れてた。
ど、どうしよう。
今言うべき、だよね?
いやでも、告白しようと思っている人に?
…あ、それは私もか。
私が心の中で自問自答しているうちに佐藤さんはどんどん話を進めていく。
「…佐藤さん」
ライバル、佐藤さんで。
できれば、今会いたくなかった。
何を言われるのだろうと身構えていると
「…少しお話ししましょう」
静かににっこりと微笑んだ佐藤さん。
その笑顔は一見とても可愛いけれど、どこか棘を含んでいそうで、少し怖かった。
「ごめんなさい、今から急ぎの用があって…」
ここで佐藤さんと話していたら、紘との約束に遅れてしまう。
そう思って断ったのに
「大丈夫。少しだけだから。どうしても今話したいの」
そう言う佐藤さんに負けてしまい、結局うなづいてしまった。
「ありがとうっ、翼ちゃん」
「ううん、それで話っていうのは?」
「うん。………あのね私、紘君に告白しようと思ってるの」
可愛く頬を染める佐藤を見て、血の気が引いていくのがわかった。
ーーーーー………マズイ。
私、まだ佐藤さんに紘が好きということ言ってなかった…。
完全に忘れてた。
ど、どうしよう。
今言うべき、だよね?
いやでも、告白しようと思っている人に?
…あ、それは私もか。
私が心の中で自問自答しているうちに佐藤さんはどんどん話を進めていく。