ヒロインvs悪役
「れーい!!帰ろう!」
放課後、あるはずのないしっぽが見えてきそうなくらいの笑顔で私のところにきた光。
「うん。帰ろう」
「玲は今日歩き?」
「うん」
「じゃあ俺の後ろ乗って!送ってく」
あまり喋らない私の代わりに光はたくさん私を笑わせてくれる。
そんな日常が壊れ始めたのは、その次の日からだった。
「ひかるくんっ!私ね、ここわかんなくて...。ひかるくん頭良いんだよね?よければ教えて欲しいなぁ」
私の席の斜め前の席の光にそう話しかけるのは、クラスでも可愛いと評判の竹平さんだ。
竹平 麻弥 たけひら まや
150㎝あるのかわからないくらい低い身長の小さな身体。
そのわりに目はとても大きい。
唇はぷっくり。
性格は.....よくわからない。