ヒロインvs悪役
「玲!屋上行こ!」
終わった瞬間、私の元に駆け寄ってくる光はやっぱりワンコだ。
.......だから何で私を睨むの、竹平さん。
「そうだね、行こっか」
睨んでくる竹平さんをスルーしてお弁当を持ち立ち上がる。
光と歩き出そうとした時。
「きゃっ」
という声がして、誰かが光の前で転んだ。
......それは竹平さんで。
ええっ?
そこ何もないよね?
今どうやって転んだの!?
そう思ってしまうくらい不自然な転び方をした竹平さん。
「....痛いよぉ....っ」
涙ぐむ竹平さんを見て思う。
高校生にもなって転んだだけで泣くなんて随分とか弱い子だな、と。
一瞬幼稚園児かと思った。