ヒロインvs悪役
カーテンを開けて朝日を浴びる。
「んー、いい天気っ」
鏡の前に立ち、曲がっていた制服のリボンをつけ直す。
お気に入りのリボンで髪を結んで、これまたお気に入りの香水をつけたら支度完了。
髪型よし!服装よし!匂いよし!
全てを終えたところで...学校に行こう!
夏らしいカラッとした暑さの中を歩いていると、見覚えのある背中を見つけた。
…あれはっ!龍だ!
「りゅーう!おはようっ」
さっそく走って駆けつけて挨拶をする。
龍は怪訝そうに振り返って私を見た。
「…」
相変わらず龍からの挨拶はない。
もー!酷い!
でも…こんな関係でも龍と私は特別な関係なんです。
「龍、一緒に行っていい?」
「は?ふざけんな。いいわけねぇだろ」
本当に冷たいな、龍は。
だけど別にいいもんね!
勝手についてくもん。
…だって私知ってるから。
こんなこと言うくせに、私が後ろをついて行っても怒らないこと。