ヒロインvs悪役
「…え?どういう、ことですか、龍は私のですよ?
勘違いなさってるのはそちらの方じゃないですか?」
雨の匂いが強まっていく。
厚い雲がどんどん重なっていく。
「…はぁ、待っててね。龍呼ぶから」
そう言い、電話をかけ始めた佐田さん。
龍の番号知ってるんだ…
私は知らないのに…
「もしもし龍?今から屋上来て。すぐにね」
佐田さんと龍が仲良いのは幼なじみだからでしょ?
それからすぐ、龍が屋上に来た。
「なんだよ、急に」
だるそうに歩いてくる龍。
そうだよ、
龍からちゃんと言ってもらえばいいんだよ!
「…龍!!」
走って龍の元に駆け寄る。