隣の白咲くん。
暫くして漸く美影が帰ってきた。
息を切らしているころを見るとダッシュで戻ってきたらしい。
俺のためにそんなに急いでくれるなんて…感動。
「はぁっ…はぁっ…あの、白咲く…、頼まれてたオレンジジュース、です」
「…たまごサンドは?」
「ごめんなさい…売り切れてしまいまして、代わりにハムサンドを…」
「ふーん…」
よっしゃ!と、心の中で大きくガッツポーズする。
気を抜くと盛大にニヤけてしまいそうだから眉間にシワが寄るように険しい表情をした。
俺が怒ってると思っているのか美影はオロオロして目を潤ませている。
「今日は絶対たまごサンドって決めてたのに、どうすっかなー」
言いながらオレンジジュースを一気に飲み干した。
美影が買ってきてくれたというだけでめちゃくちゃ美味しい気がするから不思議だ。
「白咲くん…ごめんなさい…」
「マジで愚図だな」
この期に及んで意地悪する俺に佐々木は呆れ顔。
「うわ…鬼畜」とか「好きな子いじめるとか小学生かよ」とか小声で言ってるけど聞こえないフリをした。