隣の白咲くん。

家に帰るなり俺はソワソワしていた。

何度も時計を見て今か今かとその時を待ち、落ち着かなくて一階に下りては冷蔵庫を開け、麦茶を飲む。

さっきからエンドレスでこの繰り返し。



「落ち着きのない子ねぇ…もしかして美影ちゃん来るの?」

「関係ないだろ」

「たまには優しくしないと嫌われるわよ。あんた口悪いし」

「それはお互い様」

「チューもできないくせに。このヘタレ」

「なっ…!」



うちの母親はちょっとおかしい。

口が悪く、ちょっと捻くれたとこもある。

気が弱く人の良い父親にもしょっちゅう毒を吐いている。しかも楽しそうに。それでも父のことが大好きらしい。

ん?誰かに似てる気もするけど…気のせいか。


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