隣の白咲くん。


「どう、ですか…?」

「すげーうまい」

「良かったぁ…」


正直に感想を言うと美影は嬉しそうに笑う。

普段オロオロしている美影の笑顔は貴重で、死ぬほど可愛い。

この可愛さを知ってるのは俺だけでいいのに、とさえ思う。

昔から眼鏡をゴリ押しするのは、少しでも可愛さを隠してほしいからだ。なのに何で両目ともに視力2.0なんだよ。ふざけんな。これ以上可愛さを撒き散らしてどうするつもりだ。


「美影は腹減ってねーの?」

「あ…少し、だけ」

「へぇ…」


今の今まで心が荒れていたのに、ついニヤリと笑ってしまった。

余程黒い笑顔だったのか、美影は座ったまま後退りする。

あー…どうしよ。

逃げようとするのを掴まえて抱きしめたい。

よーし、今日もガンガン攻めてやる。

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