隣の白咲くん。

夕飯が出来上がると、冷めない内にお皿に盛り付けてトレイに乗せて。

向かうは、お隣です。この場合の隣というのは、お家のことを指しています。



「はー…」


ため息を吐いてみたって10秒もあれば着いてしまう隣家。

真っ白な外観のオシャレなこのお家は…

なんと、白咲家です。

信じ難いことに、私と白咲くんは家が隣同士の幼馴染でもあるのです。

幼馴染という響きに未だに慣れなくて、今日もインターホンを押す手が震えてしまいました。



「あら、美影(みかげ)ちゃん。いらっしゃい」

「こ、こんばんは…」



出迎えてくれたのは白咲くんのお母さん。
とても綺麗な人で挨拶をするだけでも緊張します。


「真白なら部屋で待ってるわよ」

「はい…」

「ずっとソワソワしてたのは美影ちゃんが来るからだったのね」



いいえ、違います。

ソワソワしていた原因は…おそらくもっと別のことでしょう。

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