隣の白咲くん。


白咲くんが食事を終えるのを待つ間、私は白咲くんのお部屋を眺めて過ごします。

統一感のない私の部屋とは違い、白と黒で纏められたこの空間はオシャレ以外の何ものでもありません。

いつ来ても綺麗に片付いていて、良い香りがして、落ち着く…



「……」

「こら、人ん家で寝るな」

「…はっ!」



いけない。素敵なお部屋に癒されて、つい睡魔に襲われてしまいました。

そんな私に、白咲くんも呆れ顔です。



「疲れてんじゃねぇの?たまには家事とか手ぇ抜けよ」

「でも少しでもお父さんとお母さんの負担を減らしたくて…」

「んなもん、コンビニで弁当買うとかすりゃいいじゃん」

「それじゃあ栄養バランスが…」

「はぁ…クソがつくほど真面目だな、お前」

「そんなそんな…ありがとうございます」

「バーカ。褒めてねぇし」



悪態を吐きながらも、モグモグ口を動かしていた白咲くんはペロリと焼きそばを平らげました。

聞いた話だと、この後普通に夕飯を食べるそうです。細身なのに白咲くんは昔から本当によく食べます。さすが男の子だと感心するばかりです。
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