キミの運命の人は俺じゃない

素直になれなくて

湊にはあれから会っていない。

あれこれ聞かれたくなくて虎太朗までも私は避けた。

傷の消毒や抜糸は知り合いの個人病院にお願いしてやってもらい丁寧で綺麗な縫合だと誉めていた先生の言葉に私の胸は傷んだ。

湊は優しかった。私のほしい言葉を口にはしてくれなかったけれど彼はいつも意地悪で優しかった。

ストレートに言葉を紡ぐ虎太朗が葵が私は羨ましかった。

湊は虎太朗ではない。

同じことを求める自分が間違いだ、、、
そう気がついたが自ら外科に足を運べずにいた。
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