キミの運命の人は俺じゃない
「まず佐久間先生、彼には部長を始め大病院からも跡継ぎにと縁談がたくさん寄せられていてね。
佐久間先生を呼んで話をしたらずっと心に決めた相手がいるからと断られたんだ」

「で、長田先生。先生はご実家の病院はお兄さんがついでおられる。だから開業医の先生方からたくさん縁談がきていたんだよ。本当ならもっと早く長田先生お嫁にいけてたんだよ。」

部長の言葉に顔をしかめる。

「三年ほど前かな、佐久間先生が私のところに頭を下げに来てね。
長田先生の縁談はすべて断ってほしいって。進めるなら辞表をだすってね。
長田先生は自分が必ず責任持つからってね。まったく、君に近づくやからはことごとく排除してたからねぇ。ずっとうちで働くようになってから誰からも声がかからないし恋人つくれなかったろう?

でどうなんだい?佐久間先生との式はそろそろなの?」

「すみません、急用思い出しましたので失礼します!」

私は部長室を飛び出し、外科へ向かった。

< 41 / 90 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop