キミの運命の人は俺じゃない
優しく髪をなでられ、素肌のままのお互いに汗ばむ身体をきつく抱きしめられた。
彼は何回私に身を沈めたのだろう。
熱くほでる身体は私の思考をすべて奪い、ただただ身をゆだね彼の下で声をあげていた。

「悪い、このまま寝かせてくれる?寝てないんだ俺」
そっと胸に顔を寄せる。

目を覚ませばもう、2度と関わることのない人。

一夜を過ごした相手と2度目はないと噂されている佐久間湊。

そっと、目を閉じた綺麗な寝顔を目に焼き付けようと彼の顔をみつめる。

私のはじめての人。



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