キミの運命の人は俺じゃない
隣の会話に同期の宮前がにやついた。

「腔外の長田って、あのスタイルのいい美人だろ?
高嶺の花で誰も手だしてなかったし、田島部長とやけに仲がいいから技術仲間で部長の愛人って噂されてたけど…まじかよ。

あいつ処女なんだ。」


「やべぇ。
俺抱きてぇ。ってか、付き合いてぇ」

「……っざ…けん…な……」

「ん?」


みんなの視線が俺に集まる。

「お前らふざけんな!!

そんないやらしぃ目で見んじゃねぇよ!!


長田を抱くのは俺だ!

お前たち絶対手ぇだすんじゃねぇ!!!

それから今聞いたこと絶対に口外するな!!」


「佐久間、、、
まじ、、、、か!?」

目を丸くして俺を見つめる全員に俺は


「好きで悪いか……」

と顔を赤くしてそっぽをむいた。


しかし、瞬く間に彼女の発言は院内のヤローどもにひろまった。

噂の出所は腔外の女だった。

焦りながらも彼女に近づく男をことごとく排除する。

彼女を抱くのは俺なんだ!

彼女は誰にも渡さない!
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