今宵、貴女の指にキスをする。

「まずは文章に恋をしました。そのあと、貴女に会って……私はまた恋に落ちた」
「っ!」

 再び円香の指に、相宮は音を立ててキスをする。
 唇の感触が直に伝わり、円香の背に淡く甘い痺れが走った。

 小さなキスノイズを残し、相宮は続ける。

「貴女と真剣に話すのが好きだ。そのキレイでまっすぐな瞳も好き。一見、弱々しくてはかなげな木佐先生だけど、実は芯が一本通っているところも好き」
「ちょ、ちょっと、相宮さん!」

 恥ずかしくなって相宮の口説き文句を止めようとすると、相宮は眉をつり上げた。

「木佐先生。今、私は貴女を口説いている最中なんですから。黙って私からの愛を受け取ってください」
「な……!」

 言葉が出ない円香に、相宮はフフッと艶っぽくほほ笑む。
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