今宵、貴女の指にキスをする。
「木佐先生に失礼ですよ?」
「……」
「木佐先生を子供扱いするようなマネは、慎むべきじゃないですか?」
円香の前に相宮が立つ。その行動は、円香を堂上から守るようにも感じて円香は胸がキュンと高鳴った。
「まぁ……そうですね。相宮さんの言う通りだ」
堂上は深く頷いたあと、相宮の裏にいる円香を覗きこんだ。
「木佐ちゃん」
「は、はい?」
「言っておくけどな、子供扱いはしてないから。していたら、口説こうとしねぇよ」
「っ!」
思わず叫んでしまいそうになった円香は、慌てて自分の口を手で塞ぐ。
その様子を見た堂上は満足そうに、ニッと笑う。