薔薇色の日々(仮)




「どうも 田村です



みんなから たむさん って呼ばれているから よかったらたむさんって呼んでね」








たむさんこと田村瑛二(たむらえいじ)さん





それがあなたの名前







あなたに初めて会ったこの日



好きという感情を知った


完全に一目惚れだった



















「はじめまして A子です



よろしくお願いします……。」




「A子ちゃんね 了解。」







これが初対面だった



あなたは少し黒くて 筋肉があって







恋なんかしたことがなかった私でも



好きという感情が理解できた。








「じゃあ いろいろ説明するから付いてきて」












そこからは その日何を教わったのかも何を話したのかも全く覚えていない




あなたが好きという気持ちで


かっこいいという恋心で


胸が張り裂けそうなくらいのドキドキで




頭がいっぱいだった。



















「それじゃあ今日はここまで お疲れ様」



「お疲れ様です」






バイトが終わった帰り道も



私はたむさんのことで頭がいっぱいだった





でも







それ以上のことは何もない


私は普通の女の子 平凡な女の子


世界の主人公になるような女の子じゃない






付き合うとか そんなもの 私の人生のあらすじにはない



バイトの幸せができただけ



人生にほんの少しの目の保養ができただけ



ただそれだけのこと




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