年下幼なじみにずっと愛されてました
は?部室で倒れてた?肘から血?
『何で、…今日は部活は、』
『佳奈子ちゃん!お水飲んで!ちょっと落ち着こう!』
『遥!しっかりしなさい!遥も行くわよ!』
佳奈子さんに水を飲ませながら、呆然とする俺の背中を強く叩く母親
それから佳奈子さんと俺は母親に押し込まれるようにタクシーに乗り、病院へと向かった。
病院には莉子の担任と女子のバスケ部の顧問、校長と副校長がいた。
『白石さん、』
『莉子は、莉子は無事なんですよね!?』
『お母様ですか?落ち着いてください。娘さんは無事です。』
看護師さんのその一言で俺たち3人はやっと息ができた。
『左肘に深い出血箇所があり、手術を行いました。加えて、全身にいくつかアザがありました。これらは時間と共に消えるので安心してください。』
手術、アザ…
言葉が出ない俺たちを看護師さんは莉子の病室へと案内する。
『っ莉子!!』
ベッドに横たわる莉子
静かに寝てると思ったものの、枕に広がる不自然な長さの髪の毛に言葉を失う。
『莉子ママ…』
『結衣ちゃん…』
莉子の側に座ってた椎名先輩が力なくベッドに手をついた佳奈子さんを抱きとめる。