年下幼なじみにずっと愛されてました




その後の会話は何も入ってこなかった。


ベッドの側に立っていたはずが、あの話の後から、一歩、また一歩と後ずさる。



…俺が莉子を傷つけた。


俺のせいで、莉子は…。




昔から知ってる可愛い笑顔は、そこにはなく、寝顔さえも俺が知ってる幸せな顔じゃなくて悲しみに満ちた顔だった。






ひとつ上の莉子は俺より大人になるのが早くて。
俺はどんどん置いてかれるようで、早く追いつきたかった。


そのくせ誰にも取られたくなくて、莉子に向かう視線も蹴散らせたくて。


俺の勝手な思いで、莉子について回って結果的に莉子を傷つけた。



俺はガキだ…。

いま俺が触れることも近づくことも許されない気がした。




『遥くん、遥くんのせいじゃないから。…遥くんは莉子に必要な人だよ。』

『七瀬くんを責めてるんじゃないから。悪いのは嫉妬した女子』




佳奈子さんと先輩の慰めも今の俺には優しさの慰めに聞こえた。


気を使われてるんだと。




『遥…、』



『ちょっと、出る。』



…好きな子を傷つけた過ちは俺の心にも深く残った。



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