年下幼なじみにずっと愛されてました
先に帰ってた俺
家に着いてからは早かった。
何をすべきか、それを考えると一択しかなかった。
玄関の音が鳴り、父親も行っていたらしい、2人で帰って来た。
リビングに1人座ってた俺を見て、2人とも俺の側にやってくる。
『俺、転校する。』
2人は驚いた顔をするも、どこか諦め、納得したように頷く。
そこからは早かった。
さっそく転校と転入の連絡をする母親
『寮生活か…。』
テーブルに置かれたパンフレットを手にする父親
もともとこのパンフレットを中学をどこにするかという時期に持ってきたのは父親だった。
バスケが強い中学で、クラブのコーチから渡されていたらしい。
でも、俺は莉子のいる中学一択だった。
『……遥、強くなって来い。バスケもだが、心も体も。…大切な人を守れるくらい強い男になって来い。』
『誰かを守りたい。強くなりたい。そんな思いがあったらきっとなれるわ。大丈夫。』
今思えば、両親は俺が莉子に気があることを知っていたのだろうな。
『それに佳奈子ちゃん、いつも言ってたわ。遥くんは莉子を大事にしてくれてるって。それに莉子ちゃんも遥はねすごいんだよって遥はカッコいいってずっと遥くんのこと自慢してるって。』
その時俺は涙が溢れ、脳裏に笑ってる莉子が浮かんだ。
好きだ、莉子
莉子が愛おしいし、守りたい。
昔から変わらない、俺の真ん中を通ってる思い。
それは今回のことでより強く、より鮮明なものとなった。