年下幼なじみにずっと愛されてました








落ち着いた声色で結衣が教えてくれた。



あの次の日、学校ではあの出来事が生徒たちにも伝えられ、事を起こした加害者は退学、被害者は入院したと名前は伏せられた状態で話された。



が、その原因を生徒たちが予想するには簡単だったらしく、すぐに合点がいった。


そして七瀬遥は学校に来ることはなく、あの日からしばらく経った後、転校したとの情報が学校中に駆け巡った。




『…きっと、自分のせいで莉子が傷ついたと思ったんだと思う。』




遥…、
私は自分のことばかりで、遥のこと考えてなかった。




入院中も家にいる時も、学校に来だしても、姿は見なかった。

でも、きっと私に気をつかっているだけだと、元気になったら私から会いに行こう。



なんて、呑気に考えていた。

まさか転校するなんて。



『…どこの学校か知ってる?』

『あの有名男子校。全員寮生活の。』



…男子校、寮生活

浮かんだのは勉強もスポーツも優秀な人たちしか入れない男子校



きっと遥ならその学校でも優秀で上位だろう。



つぅっと流れる涙

遥がいない。
昔から側には遥がいる生活が当たり前だった。
寂しくて仕方がない。
会えてなくても、遥には簡単に会えると。
いつでも会えると思ってた。


でもーー
涙をぐっとおさえる。


きっと今回のことは良い転機なのだ。
そう思いたい。


遥離れをしないといけないんだ。
お互いのために。






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