年下幼なじみにずっと愛されてました
「莉子ー?」
「お母さん!今から遥の家行ってくるね!」
声高々に宣言する私を見て固まったお母さん
「え?遥って…、遥くん?」
「うんっ!遥が来ないかって言ってくれた!」
キッチンに来た私を抱きしめるお母さん
そのまま頭も撫でられて、なんか泣けてきた。
この状況は何なのか、…隣の家に行くだけなのに私も何でこんな宣言してるのか…。
分かんないのに、分かる。
私を抱きしめているお母さんの気持ちもなんとなく分かる。
…良かったねって思ってくれてるはず。
疎遠になってた幼なじみとまた仲良くできるんだねって。
しばらくして離れたお母さんは泣いてた。
何で泣いてんのって言いたかったけど、私もつられて涙が込み上げてきてしまった。
「ゆっくりしてきなさい。明日は休みでしょう?ふみちゃんたちによろしくね。」
リュックを背負ったままの背中を優しく押され玄関へ向かう。
「じゃあ、行ってきます。」
「楽しんで。」
「あなた達が離れる必要なんてないのよ。」
ドアが閉まりきる寸前にその言葉が聞こえて、胸がぎゅっとなった。