年下幼なじみにずっと愛されてました
深々と頭を下げる遥に続いて私も下げる。
「遥くん。莉子をよろしくお願いね。ずっと莉子を守ってくれてありがとう。」
「…っ、いえ。これからはもっと強くなって、守り抜きます。」
穏やかにご飯を食べ終え、遥を見送りに行こうとするとお母さんが泊まって来なさいとバッグを手渡してきた。
中には着替えやスキンケアなどが入っていて、つまりは七瀬家にも2人で報告して来なさいということだろう。
「ありがとう。行って来ます。」
笑顔で見送られ、徒歩20秒で気持ちを引き締める。
「…緊張する。」
「俺は緊張解けた。…まじ緊張したわ。」
「そうなの?いつも通りだと思ってた。」
「何言ってんだ。娘をくださいって言いに行ったんだぞ。おじさんが優しすぎたから良かったけど。」
ふう…っと息を吐く遥にへらっと笑われる。
「莉子は緊張しなくて良いぞ。うちの親が莉子を歓迎しない訳がない。というか、昔から莉子のこと娘だと思ってるから。」
「本当…?」
まじだって。と笑いながらドアを開ける遥の背中に一瞬だけしがみついた。