年下幼なじみにずっと愛されてました






心地良い天気にざわざわと葉っぱが揺れている。
綺麗な桜が咲く季節だ。




風に飛ばされないようにちゃんとファイルに挟んで胸に抱き締めてる私の人生の中で1番大切なもの


昨日2人で1日かけて埋めた。
手が震えて何度も気持ちを落ち着かせてたし、字だって今までで1番慎重に書いた。



本当に、今日…。



待てなくて1人家から出て歩き出す。

意識しすぎて真っ白のワンピースを選んでた。
大学に入ってから覚えたメイクもして、髪も軽く巻いた。


動悸がすごくて落ち着かない。
早く帰って来てっ。






「〜〜っ莉子!」

「きゃっ!」



覆い被さるものは私の愛しい人で。

爆発しそうだった心臓も少しだけ小さくなってく。



ぎゅーっと全身で感じる彼が今日は一段と愛おしく感じた。




「ずっと愛してる。死ぬまで一緒にいる。」

「私も愛してるよ。改めてこれからよろしくね。」







制服を少し着崩した色っぽい美男子とウエディングドレスを思わせる真っ白なワンピースを着た天使のような美少女が婚姻届を出しに来たことは数十年は漫画のような伝説として役所内で伝えられた。








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