年下幼なじみにずっと愛されてました
『危ないよー。ななに当たっちゃう。』
そう言うと遥の彼女だという先輩が戻っていく代わりにボールを持った先輩たちが私に近づいてくる。
ドンッと私の後ろにある壁に投げつけながら、時折私の体に当ててくる。
普段ならこんな弱いボール取れるのに。
この時は、ただひたすらにドンドンとなる音に怯えながら自分の体を抱きしめているだけだった。
『なんか、ななたちがいじめてるみたいじゃない。』
ボールの投げつけが止み、再び彼女が私の側にやって来た。
『違うよね?莉子ちゃんがななをいじめてるんだよね?遥くんの彼女の私に嫉妬して。』
『違っ!私は何もしてない!』
『遥くんは私のものなのに。色目使ってたんでしょう?私の遥くんに。』
違う。
遥は、…
『遥は、ものじゃないっ!誰のものでもない。…確かに、彼女さんなら遥の、1番近くなのかもしれない。…けど、私は昔から見てきたっ!色んな遥を』
『何、幼なじみ自慢?』
パンッと乾いた音が響いた後、一瞬理解が遅れた。
頬が痛い。……叩かれたのか。
『本当っ、ムカつくのよね。ブスのくせに遥くんの周りをうろちょろと。ベタベタ私の遥くんに触んじゃないわよ!』
ガッと髪を掴まれ、上を向かされる。
『この髪もムカつく。何遥くんの手に触れてんの?』
『先輩たち良いものありますよ!!』
マネージャーが楽しそうに部室を漁っていく。
『遥くんは私の彼氏なの。』
私の髪を掴んだまま繰り返す先輩
私が後ろのマネージャーたちに視線をやれば、ものすごい力で髪を引っ張られ、視線を戻される。