年下幼なじみにずっと愛されてました
パラパラと落ちていく髪
カッターを手に微笑む彼女が悪魔に見えた。
呆然とする私に構うわけがなく、今度は逆の髪が引っ張る。
『っやめて!』
『うるさい!!』
『っ!!!』
振り回したカッターが私の左肘に刺さり、深く切っていた。
ドクドクと流れる血と痛みに目を瞑ると押し倒され、馬乗りにされた。
『っ嫌!!あ"あ!!』
血の流れる左肘を2人に踏まれてる。
その間に馬乗りになってる彼女がさっき掴んでた方の髪もザクッと切っていた。
『なな先輩かっこいい!!私も!』
涙で視界が歪んでる。
もうどこが痛いのか分からなくなってきた。
あの人たちがいなくなってどのくらい経ったのか。
床に倒れたまま、涙だけが絶えず流れてくる。
頭にずっと鳴り響いてるボールの音、バッシュの音、嫌な笑い声
夢なのかな……。
夢だと良いな。
そんなことを思いながら、ゆっくりと瞼が落ちていく。
『莉子っ!?』
…あれ、結衣?
そう思った時には、もう意識はなかった。