復縁する可能性ゼロ%


「日菜子。。。」
「颯斗。。。」
お互いの名前を呼び合う声と
2人の吐息が部屋中に飛び交う。


そして思わず言ってしまいそうな言葉
ーーー好き好きーーー
ーーー愛してるーーー
その言葉はグッと飲み込んだ。


「ヤバっ!本当にやってしまった」


終わった瞬間に私から離れて
颯斗の口から出た言葉
それはやってしまったと言う後悔の言葉。


嘘でもいいから
恋人同士のように
ギュッと抱きしめていて欲しかった。


しばらく余韻に
浸りたかったのに。


何か話さなきゃ
この沈黙は嫌だ!浮かんだ言葉は
「少しは大人になってた?」だった。


「ああ」


颯斗の返事は
どうでもいい感じに取れた。


「あっ!何か食べないと
薬飲めないね」
私は何か作ろうと起き上がると
「ついでにもう一回しとく?」
と腕を掴まれた。


ついで?ついでって?


「まだ足りない」と求められたことは
当時あったけど今回は「ついでに」と
言われたことにかなりのショックだった。


「病気が悪化したらいけないから
もうしない」と逃げるように
服を着て台所へ行った。


所詮
颯斗にとって私はそんな存在に過ぎない
私は何を期待してたの?
もう一度抱かれたからって
昔のように恋人になれると思ってたわけ?
違うでしょ
しっかりしない私!


すぐにたまご粥を作ってまた
寝室へ戻った。


「これ食べて薬飲んでね
私はこれで帰るから」


「送るよ」


「病人は寝てなさい」


「じゃあ 薬飲むまでここに居てよ」


始めて颯斗の口から出た
「ここに居て」と言う言葉に
胸がズキズキと痛んだ。


「何?熱でも上がったの?
帰れ!って言ってたくせに
ここに居てって」
私も可愛くない嫌味のように返してしまった。


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