復縁する可能性ゼロ%
ベッドに横になると
安心感から寝てしまったようだ。
「颯斗!起きて!」
日菜子のまたバカでかい声で
目が覚めた。
「うるさい!やっと寝たのに!
その声頭に響く!!!」
「おかゆ作ったから食べて
薬を飲もう」
湯気があがってる熱々のおかゆを
作って持ってきた。
「うん?お粥?
米は?」
近所のお店に買い物に行ったと言う。
そしてまるで病人扱いのように
オレの身体を起こした。
「毒入れてないか?」
わざわざ作ってくれたのに
素直になれず嫌なことが口から出てしまう。
「一言多い!
ここは素直にありがとうでしょ」
「ありがとう」
やっと素直に感謝を言えたと思ったその時
日菜子が
「こんな病気なのに介抱してくれる人は
いないの?」と言ってきた。
「弱ってる姿は見せたくないからな」
とか言ってそんな女居ないけど
ついつい言ってしまう。
食欲はなかったけれど
でも美味しかった。
薬を飲んで一眠りしたようだ。
ふと見ると日菜子は床に座り
ベットに背を預けて眠っている。
「おい!そこで寝たら
風邪引くぞ?」
声をかけても熟睡しているのか
起きない。
少し寝てやろう
このまま?それともここへ寝せる?
「おい!寝るならここに来るか?」
また声をかけても無反応。
「寒っ」と起きがったと思うと
ベットに入り込んできた。
自分の家と間違ってるのか?
スースーと寝ている日菜子を
起こさないように身を細めて見ていた。
まさかこんな再会になるとは
想像もつかなかったよ。
高校の時に別れて同窓会であって
今度は職場が同じだとか。
「なんで別れるの?
理由を言ってよ!」
自分が理由を作っておきながら
よく言えたもんだよ!と
ますます腹が立ったっけ。。。
今なら言い返せただろうけれど
あの頃のオレは繊細で
肝が小さかったから
恨むことしかできなかったな。。。
ゴホッゴホッ。。。
日菜子を起こしてしまうから
咳を我慢しようと思ったが
我慢しきれなかった。
「私がどうしてここに?」
やっぱり起きてしまった。
「知らないよぉ〜
いきなり入り込むから
襲われるかと思ったよ」
いきなり入り込んだのは事実。
「ごめん」
「お前 危機感ってないわけ?
オレじゃなかったら襲われてんぞ?」
ちょっとその気になりかけたけど。
キョロキョロしたかと思うと
「今何時?」と尋ねた。
「10時半」
「えーーーうそっ!!!
やばっ!!!」
慌てて起き上がって時計を見て
大きな声を上げた。
「あっ!有給取って旅行行くんだったな」
1週間近く休むと言ってたよな。