復縁する可能性ゼロ%
颯斗の顔が近づいてきた
そして私の唇と颯斗の唇が重なった。
バカな男だ。
天敵の私と愛しの彼女を間違えるなんて
しかも濃厚なキスだなんて。
【バカ男】
抱きしめている手の力が弱まった
その瞬間抜け出さなきゃ。
しかし「どこへも行くな」
また引き寄せられる。
「颯斗。。。違うから
あたしよあたし
ごめん違うから」
「頼む。。。どこへも。。。行くな」
「ね!あたし誰だかわかってる?」
「うーーーんーーー
ふにゃふにゃ・・・み!」
ふにゃふにゃと言うところは
聞きようによってはヒナとも聞こえたが
最後は【子】ではなくて【み】だった。
そこで私はプツリと切れた
違うと訂正するよりも
その◯◯美さんに成り済まそう。
後でなんとでも言いようはある
「酔ってて勘違いしたのは颯斗よ!」
って。。。それが事実だし。
私は悪くないと開き直ろう。。。
そんな考えをしていると
「ごめん。。。」
突然と謝った。
『え?もう気がついた?』
とドキドキするが
「マジでごめん」と謝り続ける。
「颯斗?」
「本当にごめんなぁ」と強く抱きしめ
またキス。
彼女さんと喧嘩してたのかな?
きっとそうなんだよね。
彼女さんになりすまし
なんて良くないことだ。
「颯斗!!!
起きて!!!」
颯斗の胸板を押して
抜け出しベットから下りた。
「颯斗!!!起きて!」
何度か体を揺すると
さっきまで意識朦朧としていた颯斗だが
気がついたようだ。
「あれ。。。日菜子。。。?
ああ?坂倉???」
やっぱりね。
「頭 痛てー!!!」
「でしょうね。。。
あんなに飲むと」
「うん?なんで?お前京田さんと?」
「その京田さんとみのりさんに
起きるまでまた颯斗の面倒を見ろと
指示されたの」
「え?どういうこと?
しかもここどこだ?」
「お店の近くのビジネスホテル
京田さんがアプリで予約してくれたの」
「ああ。。。そう
で?なんでお前がここに?」
「だからっ!置いていかれたの!」
「大きな声出すなよ
頭痛い!」
「知らないし!」