復縁する可能性ゼロ%


「しかも彼女がいるんですよ?
あたしこの目で見たんだから
見たというか会って
会話までしたんだから」


「彼女ねぇ・・・」


「そうですよ!彼女です」


「もしその人が彼女じゃなかったら
あんたの気持ちは変わる?」


いつも以上にしつこい石本さん。


ここで認めてはダメ!
回りに回って颯斗の耳にどう伝わるか
そして結果は目に見えてる。


同じ人を好きになって
また同じように振られて
今回はあたしが退社しない限りは
ずっと一緒
そこまで心臓強くないから。


そんなの耐えられない
それならばまだこの辺で諦める方が・・・
伝えない方が気が楽だ。


「変わりませんよ
もう辞めましょうこんな話」


タイミングよく颯斗が出勤してきた。


「おはよう」


「おはようございます
昨日はすみませんでした」


「半分はこっちにも責任あるから
何度も謝らなくていい」


「わかりました」


「責任があると思うなら
晩ご飯ぐらい奢ってもいいと思いますけど?
ホテルからタクシーで帰ったと言ったけど
タクシー代も馬鹿になんないものね!
ねっ?坂倉」


「いやいや
タクシーで帰ったのはあたしの勝手なんで」


「京田さんだったらどうする?
こんなパターンのとき」


石本さんが京田さんに聞いた。


「オレだったら奢りますね」


「でしょ〜課長だからって
ありがとうだけで済ませたりしないわよねぇ」


「そうだね」


2人が颯斗を責めるように言い寄った。


「わかった!わかったよ
今日 お前予定空いてるか?」
投げやりな颯斗。


「いいって」


「良くない良くない
ごちそうを奢ってもらいなさい」


「いいって」


半強制的に
食事に行くことになった。


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