復縁する可能性ゼロ%


天丼を食べて
送ってもらう途中のこと。


「ねぇ!そう言えば
あたしたちのことを石本さんとかに
言ったでしょ?」


「あ・・・聞いたんだ」


「言うなよ!なんて言っておきながら
自分から言うなんて」


「いろいろあって
言わざるを得ない状態になったんだよ」


「やりにくくない?」


「昔のことだと言ってるし
オレは別に・・・」


昔のことね。。。
颯斗に取っては過去のこと。


「そうだね
颯斗には相手がいるしね」


「相手?」


「この前の人
お似合いだったよ」


「そう?」


「うん
もう長いの?」


「まーな
切ってもきれない関係だからな」


そこまで親密か。。。


「それはどーも・・・」


聞いてて心苦しくなる
聞かなければよかった。


「だってさ
いことのねーちゃんだからさ
付き合いは長い?て聞かれても
うん!しか言えないだろ」


ハンドルを握ったまま
顔はこっちに向けてニコッと答える。


そんな仕草がまたわたしの心を
掻き乱す。


いとこ?それ真実?
「彼女じゃなかったら?」
と石本さんが言ってたけど
石本さんもいことだ!と言われたのかな?
別に「彼女」って言ってもいいのに
どうして隠すのかな?
だいたい いとこが合鍵なんか
持ってるはずないじゃん
しかもあの時颯斗は慌てた様子だったし
だから「会社の人だ」
「調子が悪いから訪ねてきただけだ」と
誤魔化してたもの。


「そっか」


私もそのいとこ説を
今だけ信じたことにしよう。


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