復縁する可能性ゼロ%


湊町に敷地に建てられたモデルハウス
いろんな会社の家が立ち並んでいる。


どれも素敵な家ばかり。


私も結婚したら
どんな家に住むのだろう
あの家もいいな
これもいいなぁなんて
那月とキョロキョロして見ていた。


「おい!そろそろ自分の持ち場に
いった方がいいぞ」


颯斗に呼ばれて
私はB棟へ行った。


「こんなにあると目移りするね!」


「でも1番いいのが後藤建設のだろ?」


「あ。。。もちろん」


「しっかり推して一口でも二口でも
契約取らないとな」


「ラジャー」とポーズをすると
颯斗は笑っていた。



お客が少しづつ増えてきた
中には家を建てる予定もなく
ただモデルハウスを見るのが
好きだからと見学に来た人もいる。


「よろしければアンケートを」
と言ってパンフレットを渡すが
肝心な住所欄には嘘を記入する人もいる。


のちにはその住所欄に書いてあるところを
訪ねて話をしたりすることもあるそうなのに
嘘を書かれると困る。


「家の中を見せてくださいねー」
と夫婦が訪ねてきた
しかも奥さんは臨月か?ってくらいの
お腹の大きさ。


「どうぞごゆっくり・・・とぉー?」


旦那さんの顔を見て
語尾が変なように上がり一瞬時が止まった。


そこに居たのは大下将也だったから。


向こうは
スタッフの顔なんてマジマジと見てないのか
私に気付いてない様子。


すぐに颯斗のところに行き
「ねっ!大下将也さんが来てる」と
言いに行った。


「えっ本当に?」
とすぐに大下将也の元へ。




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