復縁する可能性ゼロ%


「え?日菜子がなんで?
先輩と?」


「なんで?って
日菜子ちゃんとオレ付き合ってんだよ
日菜子ちゃんしつこく付き纏われて
迷惑してる男がいる!って言ってた
別れたいのに別れてくれなくて
最悪な男だと」


「オレのことですよねその男って」


「そうみたいだな
なんで別れてやらないわけ?
まぁ別れなくてもお前には
気持ちは全くないから!
もうオレのものだからさ」


「はぁ?意味わかりません!
オレと付き合いながら先輩とも?ってこと?」


「まぁそーなるかな?
でもお前は一方通行!
オレたちは心が通ってるからさ」


「二股してるってこと?」


「そうとは思ってないけどなオ・レ・は!
だから早く別れてやってくれない?」


「先輩ちょっと聞くんですけど
そんな女でいいんです?
ちゃんと前の男と切れない女でも?」


「べつにー
日菜子ちゃん可愛いし
オレの腕の中でイク顔って
たまらないんだよなぁ」


え???先輩と関係してるってこと?


「先輩とやってるってことですか?」


「そうだよ!もー可愛くて可愛くて
何回もやってしまう
いつも無理させてる
あっ!ごめんこんな話して
ショックだった?」


「いや」


「あっ!それと日菜子ちゃんこんなこと言ってた
付き纏ってる男って超ヘタクソで
何も感じないって
だからオレに抱かれることが
すごく幸せに感じるって
だからさぁ 早くケリをつけてあげてよ」


その時のオレはもう何も考えられなかった
先輩に言われたことを信じて
すぐに日菜子を呼び出し
「お前のこと飽きたから別れる!」
と宣言したのだった。


「なんで?なんでなの?
あたしが何かしたなら謝るし
お願いだから考え直して」


泣きながら訴える日菜子
それは芝居にしか思えなかったんだ。


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