復縁する可能性ゼロ%


「ガキの頃って好きだとか簡単に言えたのに
その二文字が言えなくて
好きだという気持ちも
あの2人に気付かされたというか」


「・・・・・
らしくないじゃん
あたしは・・・あたしはずっと
颯斗のこと憎いと思ってた
10年前にあんな別れ方をして
6年前には颯斗に嫌がらせされて。。。
まさかこんな風に再会するとは思ってなくて
なんでこの会社に入社したんだろって
転職まで考えてた
だけどいつしか颯斗のそばに居たくて
叶わなくてもいいと思ってた
でもその環境が辛くなって
石本さんに誰か紹介してもらったら
忘れられるかな?なんて思って」


「オレも初めはトラウマで憎かったけど
日菜子と接触していくうちに
日菜子にまた惚れて
今さら惚れたと都合のいいことを
言って日菜子を振り回したら
いけないと思ってて」


「同じだね
あたしたち」


「今さらだけど
付き合ってくれる?」


「どーしようかなぁ?」
意地悪く言ってみた
こんな颯斗見たことないくらい
優しい顔をしていたから
少し意地悪を言ってみた。


「おい!そこは『うん』だろ!」


「うん あはは
そのつもり へへへ」


「あははとかへへへじゃないよぉ
付き合うというか
将来を前提で考えてるから
そこらも含めてよろしくお願いします」


「・・・あたしで良ければ
こちらこそ」


「うん じゃあ行こうか」


「どこへ?」


「2人きりになれるところ」


「はい?」


「だって 覗き見されてるからさ」


と入り口のドアに手をかけたら
京田さんと石本さんがバタッと
倒れ込んできた。


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