復縁する可能性ゼロ%
主任も4階の資料室に用があるらしく
一緒に向かった。
「葛西課長の送別会の段取り
ちゃんとやってる?」
3月末で定年退職をする
総務課の葛西課長。
「あっ。。。
今回の幹事 あたしでしたっけ?」
何事かあると
幹事は先輩後輩は関係なく
順番で行われるのが
総務課の決め事なのだ。
「おいこら!
出欠席を取らないと思えば
何も段取りしてないわけ?」
「前回は柴田さんだったでしょ?
と言うことは 次は・・・
葛西課長・・・あっ・・・」
「自分の送別会を幹事は出来ないよな?」
「ですよね」
「ですよねぇ じゃないんだよ!
早く段取れ」
「かしこまりました
任せてください」
敬礼のポーズを見せる私に
「全くぅー 何が任せろだよ
オレに言われなかったら
大変だったぞ?」
「感謝します!
ありがとうございまーす」
「ふざけるな」と
吉川主任のゲンコツが頭に落ちてきた。
「おう!そうだそうだ
京田に手伝ってもらえ」
「京田さんですかぁ?
なぜそこに
その名前が出てくるんですか?」
「誤魔化さなくていい
付き合ってんだろ?」
「違いますよ」
「違うのか?」
「京田さんが迷惑しますよ
あたしなんかと付き合ってるって
言われたら」
京田さんと言うのは
総務課の二つ上の先輩。
何かと助けられていて
すごく頼りになる先輩。
だが・・・ただそれだけの関係。
確かにカッコいいイケメンの先輩
会社で1番の美人と言われる
管理課の横田さんですら
相手にされないという。
だから ごく普通の私が
手の届く範囲の人ではない。
彼女は居ない!って宣言しているのに
噂では遠距離恋愛している彼女が
いるのではないか?とか
極秘結婚しているのではないか?
とかみんな好き勝手に言っている
人の噂って面白いものだ。