復縁する可能性ゼロ%


須藤専務が
「貸しなさい」と私の持ってる物を
取ろうとしたら颯斗が
「貸せ!」と先に取り上げた。


軽く取り上げたが
それが思っていたよりは
かなり重かったようで
「うっ、、、」と眉間にシワが寄った。


「専務が持つくらいなら
オレが持ちますよ」と
いい格好を見せようとしているだろう。


専務はエレベーターには乗らず
奥の会議室へと向かい私達は
来たエレベーターに乗った。


「あたしが持つよ」
返される前に自分の方から言った。


「ほら!自分で持て」と言われるのも
シャクに触るから。


「営業課まで持っていくよ」


「でも」


「腱鞘炎になったと
労災を使われるとめんどくさいから」


それか。。。それだけのことか。。。


「使わないから安心して」
颯斗の持っているパンフレットを
取ろうとすると
「離せアホ!素直になれ」
と怒られる。


「じゃあ お願いします!」


それから営業課まで
一言も言葉を交わすことなく歩いた。


入り口で
「オレはその先に用があるから」と
パンフレットを手渡された。


「はや・・・課長
ありがとう」


素直にお礼を言う私に
颯斗はビックリしたようだったが
すぐに向きを変え
後ろ姿のまま片手で手を振った。


その仕草 カッコいいな。。。


うん?カッコいい???
キュンとしてしまった私。


【違う違う】とブルブルと頭を振り
気を引き締め営業課に入った。








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