復縁する可能性ゼロ%


「颯斗くん待たせたね」
と入ってきたのは須藤専務。


「いえ 今きたところなんで」


私・・・このままここに居て大丈夫?


「えっと。。。君は?
総務課の子だよね?」


いきなり私にふれる須藤専務。


「はい」


約束通り『はい』とだけ答えた。


「残念だなぁ」と須藤専務


「すみません」と颯斗


ーーー残念だなぁ?
ーーーすみません?


この2人の会話はわからない。


「娘が残念がるよぉ
まぁ 将来を決めた女性がいると言ってたが
口任せのことだと思っていたよ」


うん?待て待て?
将来を決めた女性?


はい?誰のこと?
まさか私を利用してるってことじゃないよね?


「付き合いをしてる
彼女の坂倉日菜子です」と
私を専務に紹介した。


やっぱり彼女設定にされているのか。


「周りに騒がれるのも彼女が
可哀想だからまだ公表するつもりは
ないんですけど専務には
ちゃんと紹介しておきたくて
日菜子もっとこっちへ来て」
と颯斗は横へ並ばせた。


ーーー日菜子ーーー
懐かしい呼び方。


「付き合いは長いのかね?」


「実は中学の時から知り合いで
付き合ったり別れたりを繰り返して
やっとお互い必要な存在なんだと
わかったんですよ」


お互い必要な存在
よくもそんな嘘が言えるよ


「そうなのか 
結婚を考えてるのか?」


「もちろんですよ」


「そっか 君たちなかなかお似合いだよ
結婚式には呼んでくれよな」


「もちろんですよ」


「じゃあ 娘には自分が
ちゃんと説明して諦めるように
伝えとくから2人は幸せになるんだぞ」


「はい ありがとうございます」


専務は会議室から出ていった。





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