復縁する可能性ゼロ%
『着いたぞ!早く出てこい!』
言われる前に出ててやろう!
電話を切られてすぐに
車を止めやすい大通りに面した
入り口付近で待つことにした。
10分経過
でもまだ連絡がない。
15分経過
何が待たせるな?秒で出てこい?
あんたはどれだけ待たせるつもり?
せめて今どこに居るかだけでも
聞いていればよかったと後悔
こっちから電話をかけるのもかけにくい。
「着いたぞ」
電話がきたのは25分後のことだった。
「ちょっとぉー!ずっと待ってんだけど」
「待ってた?別に待ってろとは
言ってないけど?」
「『すぐに出てこい
秒で出てこい』って言ったじゃん
だから近くにいるのかと思ったのよ
それからずっと外にいたんだからね!」
と文句を言い続けていると
颯斗は「それはどうもどうもご苦労様」
と笑いながら言った。
笑われているから馬鹿にされてると
また私はカチンときてしまう。
「どうでもいいけど そんなところで
鬼の形相見せてないで早くこい」
ふと道路脇をみると颯斗が車から
手を振りニコリと笑っている。
「信じらんない!」
そう言いながら車に乗り込むと
「こっちこそ信じられんわ!
20分もその上も待つか?
しかもまだ?って電話とかせずに」
と呆れた様子。
「まだ?って電話するのは
シャクに触るからよ」
颯斗は「ハイハイ」と言いながら
車を走らせた。
ガーデンに到着して
人気の焼き菓子のセットを
購入しようと思ったが
「あいにく人気商品なので
売り切れてしまいました」と
お店の人が申し訳なさそうに
私たちに説明をした。
私の横で颯斗が
「ほら見ろ!」とばかりに
ため息をついた。
ため息?待て!
だいたい遅く来るからいけないんじゃん!
結局店員さんのおすすめ
二番人気だというゼリーの詰め合わせを
購入してナカヨシへと向かったのだった。