復縁する可能性ゼロ%


「お久しぶり颯斗さん
こちらが?彼女さんなの?」


「ああ あの時は
彼女いないとか言ってごめんね」


「うーん それはいいけど
本当に彼女?」
ゆりえさんは私をジッと見た。


嘘を見破ってるかのように
瞬きもせず見られると
つい逸らしてしまう。


「こら!ゆりえ
失礼なこと言うなよ」


「初めはね 父が私たちのことを
反対するための嘘だと思ったのよね
でも違うか?父がそんなことまで
するわけないよね?
だったら彼女のフリして欲しいと
頼まれたのかなぁ?と思っちゃって
あははごめんなさい」


そう頼まれてる
やっぱりわかる?


「何故そんなことを思うのかね?」


「颯斗さんはアメリカで素敵な恋を
していて帰るときにお別れしたと
話してたから
こっちに帰ってきてまだ少しなのに
結婚まで考えてる彼女っておかしくない?
この人が妊娠してらなら別だけど
そんなに急いでするくらい短い時間で
燃え上がっちゃったとか?
そんなのおかしいもん
ただあたしと恋をしたくないだけじゃない?」


アメリカで素敵な恋。。。
そうなのか颯斗は向こうでの
彼女が忘れられないのか
もしくは恋は継続してるのか。



「頼んでなんかないよ
ずっと前から付き合ってるから!
遠距離恋愛してたんだよ
いかにも向こうで向こうの人に
恋してたみたいな
少し紛らわしい言い方してごめん」


「そうなの?ふーん」


あまり信じていない様子
私でも信じないだろうな。


次々と運ばれてくる新鮮な魚の料理
「ほら!ヒナ
これ上手いぞー」と小皿に
取り分けてくれる。


颯斗はわざと仲の良い感じを
だそうとしているのか
やけに優しく「ヒナ」「ヒナ」と
付き合ってた頃のように
接しられるとあの頃が懐かしくもなる。


私は居心地の悪さに
「食事中ですみませんお手洗いに」
と席を立つと
「あっ!あたしも」
とゆりえさんも一緒に行くことになった。






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