復縁する可能性ゼロ%
「あなた偽物でしょ?」
いきなり手洗いのところで
突然聞かれて少し驚いた。
「違うよ」と答えるのに
「違わない!」と言い張る。
「どうしてそんなことを思うわけ?」
「あたしにライバル心を持ってないもの」
ゆりえさんが颯斗に
「夜景を見に
連れて行ってくれてありがとう」とか
「あの時のお店のカクテル美味しかったね」
とかお礼を言っていたけど
その時の私の様子が「ふーんあっそう」
的な感じだったからと言う。
「普通ならさ
ピクリとしたり顔色が変わるのに
全然平気な顔してるもの」
さすが!
でもここは否定しないと
後で颯斗に何を言われるかわからない。
「颯斗を信じてるから」
「ほんとぉ〜?」
疑ってるのはすごくわかる。
「実はね あたしたち
1度だけ食事をしたと言ったけど
会ったのは1度だけじゃないんだよね」
と言われましても?
どう答えたらいいの?
どう答えて欲しいのか?
どう答えればゆりえさんは
納得してくれるのか。
「あら?聞いてないの?」
「・・・」
「ああ〜そうかぁ!
言えないわよねぇ
さすがに」
意味ありげな言い方。
「ごめんねぇ
言っちゃいけなかったのかな?」
私が黙ってるとどんどん言い続ける。
「さすがにねぇ
会社の上司の娘と一夜を共にしたとかは
言えないよねぇ」
「え?そうなの?」
私が発した言葉はそれ。
「だからあたしもてっきり
付き合ってくれると思ってたのよ
彼女は居ないと言ってたから
だったら彼女が居るって言うじゃない?
ああ遊ばれたのかってね
だからそれが本当なのか
嘘なのかこの目で見たかったから
父にこの場を設けてもらったの
それが本当の話」
一夜を共に・・・?
それなのに何故付き合わない?
単なる遊びだったってことか?
だから断るに断れず
私を利用しようとしたってこと?