復縁する可能性ゼロ%
「さすがに堪えたようね」
「あ・・・まぁ」
「でもね 一回だけだから
それから会おうとか全くないし
連絡すらないから安心してね
じゃあ 席に戻りましょう」
何事もなかったように
席へと戻った。
専務とゆりえさんをお見送りして
私の役目は終了。
「今日はありがとな」
颯斗が素直にお礼を言うなんて
珍しい。
「ゆりえさんにはバレてるよ
付き合っていないこと」
「なんでそう思う?」
「トイレに行ったときに
言われたもの『偽物でしょ』って」
「マジ?で?
そうです!って正直に言ってないよな?」
「ちゃんと否定したよ
後が怖いから」
私の言葉に「お前なぁ」と
颯斗は笑う。
「だけどさぁ ゆりえさんって
めっちゃ可愛いし綺麗だし
どうして付き合わないの?」
「好みじゃない」
好みじゃないのに手を出すか?
この男最低な男だ。
「よく言うよ
手を出しておきながら」
「手を出して?
それ彼女が言ったのか?」
あ。。。。。
言うなと言われてたんだ。
「なーんてねっ!
そうかな?ってカマかけたけど
颯斗には通じないか」
適当にごまかした。
「さすがにさぁ
上司の娘に手を出すとかしないよ」
「常識的にはそうだけど」
「おい!オレが非常識な男だと言うのか?」
颯斗の機嫌を損ねたようだ。
「そんなに怒ることないでしょ」
「お前が怒らせてるんだろう!」
だってゆりえさんが
颯斗とのことを言ったんだもの
嘘はつかないでしょ
嘘がバレたら須藤専務の娘なんだから
どうなるかぐらいはわかるでしょう。