復縁する可能性ゼロ%
「追ってこないでよ!」
逃げ足の速い横田さんは
階段を降りて行った。
「待って!って」
追いかける私。
・・・がしかし
足を滑らせてしまった。
「あ。。。京田さん
ここは?痛っ!」
起き上がろうとすると
背中が痛い。
「起きなくていいよ
ここは病院だよ」
ベッドの横の椅子に座っていたのは
京田さんだった。
「大丈夫?」
「あたし階段で足が滑って
どこか持たなきゃって思っても
持つところがなくて
そこからの記憶が。。。」
「たまたま通りかかったら
坂倉が雪だるまのように転がり落ちて
横田さんもすごく慌ててたよ」
「雪だるまですか?ウケる」
と笑う私に
「笑い事じゃないよ!
課長も慌ててたよ」と
その場に颯斗も居たんだと
京田さんの言葉で知った。
「課長がここまで
連れてきてくれたんだよ
あとでお礼の電話しておいた方がいいよ」
「え?あの人がここへ?」
「用があるから帰るって
診断を聞いたらすぐに帰ったけどね
あの位置から落ちて捻挫だけで
済んだって不幸中の幸だな」
「あたしって今日は
踏んだり蹴ったりだね」
「そうだね」
「みんなに迷惑ばかりかけちゃって」
「そんなことは考えなくていいよ」
「でも。。。
あっ!今何時ですか?」
「8時25分かな」
随分寝てたようだ
すぐに看護婦さんを呼んで
支払いを済ませ病院を出た。