復縁する可能性ゼロ%


颯斗は覚えていたんだね
それを書いたこと。


それは書くんじゃなかったという
後悔で覚えてただけ。


「ごめん。。。
嫌なこと思い出させてごめん
信じないかもしれないけど
颯斗はあたしとのこと
後悔しかない!っていうけど
あたし颯斗と付き合ったことは
後悔なんかしてないから
それだけはあたしの本当の気持ちよ
過去のこと記憶を消す
消しゴムがあったら消せちゃうのにね
ごめんね消せられなくて」


涙を堪えて颯斗に今の気持ちを伝えると
颯斗は何も言い返してはこなかった。


当時 
少しでも心が通い合ってたハズなのに
それも全て間違いだったと
否定されたようで胸が苦しくなる。


「自分が書いたんだから
自分で消してよ」


当時も何度も消そうと思ったのに
消せなかった
今回もきっと消すことはできないと思う。


卒アルを颯斗に手渡して
「それ!要らないから
颯斗が好きにして」と
私はその場から離れた。


再会してから私
颯斗のことをまた好きになってしまった
叶わぬ恋
1度もう拒否されているのに
どうしてまた好きになってしまったのだろう。



ーーー転職ーーー
もうそれしかない。


密かに私の就活の始まりの鐘は
なり始めた。


とりあえず有給が残っているから
それを消化して仕事を探そう。


颯斗
もう少し我慢してね
嫌な女は目の前から退散するから。


職場に戻ると
「没収された卒アルどうなった?」
とみのりさんが心配して聞いた。


「返してもらったよ」
と嘘をつく。


「どうして怒るのかな?」


「当時の嫌な思い出を
思い出すから見たくないんだって
そう言ってた」


「ふーん変な課長」


そんなことでは誤魔化せてはないだろうけど
一応はみのりさん
「ふーん」で終わってくれた。


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