復縁する可能性ゼロ%


「ゴホッ!ゴホッ!」
颯斗の咳き込む声で目が覚めた。


え?え?えーーーーー???


気づけば私はベッドの中


待って待って?
なぜ私がここに?


「私がどうしてここに?」


「知らないよぉ〜
いきなり入り込むから
襲われるかと思ったよ」


いきなり入り込む?
私って寝ぼけてたのかな?


「ごめん」


「お前 危機感ってないわけ?
オレじゃなかったら襲われてんぞ?」


布団にどうやって入ったのだろうか?
無意識で?
わからない。。。


カーテン越しに入る日差しが
眩しい。


「今何時?」



「10時半」


「えーーーうそっ!!!
やばっ!!!」


慌てて起き上がって時間を確認すると
本当に10時半だ。


「あっ!有給取って旅行行くんだったな」


違う違う
旅行じゃないし。


再就職試験!面接の日
しかも10時からなのに。


やっと見つけたのに
ダメだ。


携帯にはメールが入っていた
ーーー時間にお越しにならなかったので
今回は無かったことにしますーーー


連絡なしでドタキャン
どんな理由があれ
時間にルーズなのは1番困ること
それは、私も百も承知。


再就職の道を失ってしまった。


「あーーー最悪!!!
熱が下がったのを確認したら
帰ろうと思ってたのに最悪すぎる!」
座ったまま頭を抱える私に
「寝るからだろ
誰も横で寝ろとは言ってないのに
勝手に入ってきてさ
そんなに男の肌が恋しいのか?」


と颯斗は冷たくいう。


「肌恋しいという以外は事実なので
何も言い返せません
でも!でも!!!
一晩中面倒見てあげたのに
お礼ぐらいないの?」


「誰も頼んでない」


「確かにそうだけど
そうだけども!!!
今下がったのは私のおかげよ」


「はいはいありがとうございました
ってかさぁ
いつまでそこに座ってんの?
襲うぞ」


ここへきて何回聞いたか?その言葉
【襲うぞ】その気もないくせに。



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