過ぎ去りし王国
どれだけもがいても、何もしてやれない。この王国の医療はたかが知れている。他国から見たら、子どものお医者さんごっこだろう。

「さっさと開国してくれよ!そうすれば、この病から人を救えるのに…!」

怒りが込み上げ、ジェイコブはバンと机を叩く。それでも、イーサンは何も言わない。

「先生!助けてください!」

また、助けを求める声がする。今度はこの命を救えるのだろうか。
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