拝啓 元カレ上司サマ
美しい薔薇
今日は本社からの役員やら取引先の役員やら、営業所開設パーティーも催されることもあって、ここ何日かは目の回る忙しさであった。
もちろん、麗香もこれまで、あれやこれやと仕事が山積していたので、やっとのことでこの日を迎えることが出来て、安堵している。
「清乃さん、パーティーの衣装、派手な物は駄目よ」
そう言うと、清乃はハーイと返事をした。
この清乃と言うのは、今後麗香と営業所の受付業務を担当する、今年短大を卒業したばかりの新人で、辻田清乃だ。
授かり婚の大瀧史華は随分前に退職して、旦那様と今は落ち着いた生活を送っているそうだ。