拝啓 元カレ上司サマ
大学生での成績は普通であったので、名だたる企業への就職を諦めていたのだけれど、美しい容姿の麗香に、就職担当者が良いアドバイスをしてくれた。
「貴女は誇りに思うべきよ。こんな有名な企業へだって入れるかも知れないから」
それまでの麗香は、自分の容姿が嫌いだった。
男女ともに好奇の目で見られることに、嫌気がさしていたのだ。
しかし、麗香に絶妙な助言をくれたのが、女性だったというのも効を奏したのだろう。
もしかしたら、多少の嫉妬も含まれていたのかも知れないが。