拝啓 元カレ上司サマ
ー*煌太視点*ー
数年前の俺には、最愛の女性(ヒト)がいたんだ。
その時はもうフラれてたけどな。
でも、断られたって、嫌だって言われたって、諦めたくないくらい愛してたんだ。
○○県庁から転職して、会いに来るくらいにな。
”麗香“…彼女の名前を呼ぶ度に、俺は幸せだったんだ。
彼女が「煌太大好き」って言ってくれるだけで、天にも昇る気持ちだったのに。
俺はバカだな、今頃そんなこと思い出したって、麗香とはもう終わっていたのに。
でもな、記憶喪失になった時、あの夜病室に戻って来てくれたのに、俺に何かを伝えようとしてくれたんだよな、麗香、麗香、会いたいよ…。
嗚呼、本当に俺は馬鹿だ、本物の馬鹿野郎だよ。