拝啓 元カレ上司サマ
麗香は杓子定規に物事を考えるきらいがあった。
それ故に、煌太の言い分も聞かずに、あっさりと別れを選んだこともある。
そして、何度も思い悩んだり親を恨んだりしたけれど、もう誰に遠慮することなく、自分だけの人生を歩んでも良いのだという考えに至った。
そのことに気が付くまで、少々時間が掛かってしまったが、“やっと”だ。
麗香は何だか頭も心もスッキリさっぱりしたような、そんな気がした。